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1798

生まれてこの方、興味のあること以外はどうでもいいとか、好きなこと以外は無頓着とか、思い返せばもったいない人生の送り方してきたかなぁとしみじみ感じる一方で、ささやかな時の流れや季節の移り変わりはあの電車に教えてもらった気がします。










冬の間、色を失っていた木々や花々が躍り始める春。
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暑がりなので、まだ空気はひんやりしてるけど日差しは暖かくて、みたいな日が好きでした。
カメラを持つようになってから(半ば鉄道ついでに)植物にもレンズを向けるようになりましたが、見頃や天気予報をチェックして一喜一憂するようになってしまったのも考えもので……。
構図決めてじっと据えていても、そよ風で花が思いがけない方へ揺れちゃったり、虫が登ってきてびっくりさせられたり。自然や動物相手に撮影されている方々は大変だなと改めて感じました。










雨が続き、空気が湿る嫌な季節。
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風に騒めく新緑の木々。
アスファルトの濡れる匂い。
徐々に彩度が落ちてくる視界。

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待ってる間すぐ近くで落雷して、信号が一瞬消えてしまったり。傘なんて差してても意味の無い土砂降りの中、長靴にどんどん雨が溜まっていく不快感を押し殺しつつ、もしかしたら自分に雷が落ちてここで死ぬんじゃないかとか。
近年では命の危険を感じるレベルのゲリラ豪雨なんてのもどんどん増えてきてる印象で、夕立なんて風流な言葉もめっきり聞かなくなった気がします。











梅雨が明け、一気に上がっていく気温。
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容赦ない陽射しと、蝉の大合唱を全身で浴びながら列車を待つ時間。
死ぬほど暑いのに苦じゃなかった。いや、嘘。しんどかった。
それでも炎天下だろうがシャッターを切る瞬間が待ち遠しくて、いろんな意味で手に汗握った夏の日々。
休暇明け、焼けた腕を見られ「どこ行ってきたんだ?」の問いに、「線路際です」だなんてふざけた答えを返せるはずもなく……。










何個目かの台風が過ぎると、めっきり秋の様相へ。
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空気が乾燥して、葉っぱが落ちていって、夕陽の色が綺麗に見えて、食べ物は美味しくて。
厚着できるから、ポッケが増えてフィルターやレンズキャップも持ち運びしやすくて。
涼しくなったのに水分補給しすぎて、通過直前にもよおしてきたりして。
「○○の秋」のどの○○よりも、この電車ばかりだったりして。










冬の澄んだ空気で、念願の夕陽シルエット。
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この時思い描いていた通りのカット。撮れる場所がすぐ近くにあったなんて、灯台下暗しもいいところです。
日の入り直前の太陽は目で追っていても分かるくらいの速度でどんどん下降していって、本当にハラハラさせられました。
シャッターを切ってもまだ安心できなくて、プレビュー画面を見て成功していた時の達成感と手の震え。他の何にも例えようがないくらい嬉しかった瞬間。



太陽といえば、季節によって光の当たり方が変わるのもこの電車のおかげで気付けた気がします。
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なんで同じ時間の同じ場所なのに、夏だと顔に光が当たらないのか不思議に思っていた時期が自分にもありました。馬鹿の一つ覚えのように同じ場所で撮り続けていたのも、少しは役に立っていたのかも?
今や夏光線だの冬光線だの。余計なことに気が付いてしまったのかも知れません。










自宅から近くてお手軽なので、何度も何度も通い詰めた田んぼ道。
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この電車が走っている間、12回の田植えと稲刈りがありました。
用水路の水流。
踏切の警報音。
サギやカエルの鳴き声。
遠くで響く、橋梁を渡る音。
登下校の小学生たちのはしゃぐ声。
青、緑、黄、白……同じ場所で季節の色や音を感じられる、大好きな場所でした。

早朝から3時間くらいここに居ればその日の運用が分かるからって、早起きが大嫌いだったくせに、寝ぼけ眼で意地になっちゃって。
でも最後の2年くらいは、無駄に早起きすることもありませんでした。
撮影する人がだんだん増えてきて、いろんな場所の目撃情報や運用報告を書いてくれたから。
いつの間にか自分で調べなくても、ネットを見ればどこを走っているか分かるようになっていました。
仲間が増えて嬉しいような、
終焉を感じさせて寂しいような、
複雑な感情でした。











そうして過ごしてきた12年とちょっと。

永遠に終わることの無い季節の移ろいから、時の流れから、
簡単に弾かれるように、終わりの時は来てしまいました。










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二度と戻らない基地で見送ってくれたのは、信じられないほどに透き通った冬の空と月明かり。
長いこと暮らしてきた愛知で、こんなにも綺麗に星が見えたんだなぁと、本当に最期までいろんな景色を……。

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1797

夜の撮影は極力避けていたものの、好きな電車くらい撮っておくかといろいろ試行錯誤してました。


とりあえずバルブするなら一番手っ取り早いのは神宮前でしょうし実際人も多かったみたいなんですが、屋根周りが暗くてパンタが消滅してしまうのと足元の乗車位置看板がどうも気になってしまい、少し遠出して河和線は青山へ。
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編成巻いちゃうので好みは人それぞれあれど、まったり撮影できたので良かったです。光芒も良い感じ。
それにしても2回くらい行って2回とも同じ方とお会いしたのは笑っちゃいました。お互いお疲れさまです。



ついこの間高架化が完了した布袋駅。引退迫る1700との組み合わせを記録しておこうと夕方にホーム端に立たれた方も多いのではないでしょうか。
自分も綺麗なうちにバルブしようと思ったところ、犬山線の運用だとほぼほぼ増結付きの8両なのでホームいっぱいに停車。なるほどどおりで夜の写真を見かけないはず……。
したらば回送で通過するところを低速シャッターで流し撮りするかと出向けば、側線から6000系の回送が発車した直後に本線の通過アナウンスが。
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まさかの回送連チャン、前が詰まっているので当然トロトロ通過。一応流したつもりだったんですがほぼバルブでした。
まぁ広角気味に構えてたので駅の構造も分かるし、これはこれで良かった……んでしょうかね?



美合停泊運用の、特急東岡崎行き。
撮っておきませんかとお誘いを受け、一路有松駅へ。
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レアな行先表示よりも、誰も居ない深夜のホームを駆ける姿が印象的でした。
ズーム流しでも撮っておきたかったなぁ……。



地元の陸橋にて。
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ここはもう、何度失敗したか……人通りも少なく夕食後一息つくのに良い場所だったので、ちょっと絵になるカットが撮れれば、と軽く考えていたのが甘かったんでしょう。適当な撮り方で失敗を繰り返しているうちに引退が近づき、焦りながらもなんとか止められました。夏休みの宿題じゃないんだから。
先に撮影地が潰れてしまったパターンも何ヵ所かありましたが、ここも手前の木がどんどん成長してきていたのでそのうち撮れなくなるんでしょう。




駅に滑り込むのを見送って、遮断機が上がった踏切から。
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夜の闇に消えてゆく。
なんだか遠くに行っちゃう気がしていたら、本当にあっという間に遠くに消えちゃいました。

1796

2月10日、1700系が運用を離脱しました。



名鉄岐阜発河和行き、288列車。
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河和発名鉄名古屋行き、309列車。
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もう二度と乗れないということを除けば、いつも通りの列車。


朝のラッシュも一段落し、たまたま居合わせた少しのお客さんと、この電車が好きな人々。


走り始めたあの日と同じように、記念の式典や出発式なんて一切無い、呆気ない幕切れでした。








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本当に静かに見送ることができました。



ありがとうございました。

1795

1月23日、舞木検査場にて1700系の撮影会が行われました。
午前・午後の各回で事前応募制、応募者多数の場合は抽選による当選者のみ参加可能。自分の知る限りでも残念ながら外れてしまったという声を多く耳にしたので、倍率はそこそこ高かったのではないでしょうか。
そんな中奇跡的に当選し、参加することができました。最初で最後の機会だろうと思われたのでありがたい限りです。



引退記念という名目な手前、本当に終わっちゃうんだなぁと複雑な気持ちのまま迎えた当日。
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集合場所の本宿駅にお迎えの列車が入線すると、参加・不参加に関わらずホームには大勢の撮影者が。関東に比べれば生易しい雰囲気ではありましたが、それでも今まで1700を撮影してきてここまで人が集まっているのを見たのは3と4の廃車回送以来かも知れません。


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参加者一同が乗り込み、いざ舞木検査場へ。
あんまり種別表示なんかには拘らずにいましたが、団体表示は1700系としては初めてでしょうか?
大勢集まっていたのは、レア表示目当ての方も居たのかもですね。


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構内に到着後、しばし車内撮影タイム。
車内なら別に本線でも撮れるっちゃ撮れますが、一般客の邪魔にならずに好きなだけカメラを向けられる時間はありがたかったです。周りに居る方々も同じ目的なので、譲り合いながら和気藹々と撮影することができました。


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ついさっきまで走っていた線路を眺めて。なんだか変な感じ。


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時折雨脚が強まる中、やはり一番熱かったのは外観の撮影ですかね。ボロボロだったスカートそれなりに綺麗に補修されており、いつもの凛々しい姿。グループに分かれての撮影だったので、まったりと過ごせました。

今回誰も知人が居なかったので、恥を忍んでスタッフさんにツーショット写真撮ってもらいました。
ありがとうございました……。



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乗務員室には、特製の可愛らしい板。
オークションに出されると思うのでちょっと欲しいですが、すごい値段が付くんだろうなぁ……(苦笑



既に一般車と切り離されてお役御免になっていた1701-1651。
電源は入ってなかったので本当に置いてあるだけの状態でしたが、普段はじっくり見られない床下なども観察できました。
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面食い(制御機器だの台車だの詳しくない、の意)なのでどうしても見逃しがちだった、走るための大事な部分。
普段見ていたところはまだ新しいイメージでも、だいぶ年季が入っているように見えます。
もう限界だったのかなぁ。



じゃんけん大会やパノラマカーとの再会も経て、撮影会はあっという間に終了。
本宿駅へと帰路に就きます。
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雨の中、そしてコロナ禍という情勢においても感染対策を徹底し、イベントを開催してくださった名鉄の方々には頭が上がりません。本当にありがとうございました。
また、ご一緒した皆様もお疲れさまでした。







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1794

時速120kmで駆け抜ける眼差しを切り取りたくて、昔自転車でよく行った陸橋へ。
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1000分の1秒の記録。
思ったよりも距離が近かったんで、もう少しシャッタースピード稼げばよかったです。7DMark2みたいな連写性能に優れたカメラも手にしてみたいですが、この先そんな機会があるのかなぁ……。
プロフィール

一川

Author:一川
悪いことしない程度にやりたい放題しながら、愛知の端っこで細々と暮らしてます。

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